- 「社会調査士」の資格を取得しようか迷っている人
- 「社会調査士」に興味がある人
はじめに
先日、大学の成績が発表され卒業できることがほぼ確定したので「社会調査士」の学内での申請をしてきました。
慌てていた教務課の方を見る限り、私が1番乗りだった模様です笑。
そこで今回は、社会調査士について紹介してみたいと思います。
社会調査士とは
社会調査士とは 「社会調査士」「専門社会調査士」は、社会調査の知識や技術を用いて、世論や市場動向、社会事象等をとらえることのできる能力を有する「調査の専門家」のことです。
社会調査士は社会調査協会のHPより以上のような説明がなされています。
また、「社会調査士」については「調査企画から報告書作成までの社会調査の全過程を学習することにより、基本的な調査方法や分析手法の妥当性、またその問題点を指摘することができ」るという追加説明がなされています。
似た資格として大学で単位を取らなくても取得できる「統計調査士」がありますが、この資格の上位互換かなという印象を私自身はもっています。
実際、統計調査士の問題を解いてみましたが社会調査士に必要な科目を勉強していれば法令のところ以外はそれほど難しくはありませんでした。
社会調査士に必要な科目
社会調査士に必要な科目は大きく分けると7科目です。
下にも注意書きがなされていますが,【 E 】と【 F 】は、どちらかを選択すれば大丈夫ですね。
要は「量的調査」に関する科目もしくは「質的調査」に関する科目のどちらかを選択して、トータルで16単位を修得すれば良いということです。
詳しくは下の方をご覧ください。
【 A 】 社会調査の基本的事項に関する科目
【 B 】 調査設計と実施方法に関する科目
【 C 】 基本的な資料とデータの分析に関する科目
【 D 】 社会調査に必要な統計学に関する科目
【 E 】 多変量解析の方法に関する科目
【 F 】 質的な調査と分析の方法に関する科目
【 G 】 社会調査を実際に経験し学習する科目
※【 E 】と【 F 】は、どちらかを選択。
【 A 】 社会調査の基本的事項に関する科目
社会調査の意義と諸類型に関する基本的事項を解説する科目。「(90分×15回相当)
【 B 】 調査設計と実施方法に関する科目
社会調査によって資料やデータを収集し、分析しうる形にまで整理していく具体的な方法を解説する科目。(90分×15回相当)
【 C 】 基本的な資料とデータの分析に関する科目
公的統計や簡単な調査報告・フィールドワーク論文が読めるための基本的知識に関する科目。(90分×15回相当)
【 D 】 社会調査に必要な統計学に関する科目
統計的データをまとめたり分析したりするために必要な、推測統計学の基礎的な知識に関する科目。(90分×15回相当)
【 E 】 多変量解析の方法に関する科目
社会調査データの分析で用いる基礎的な多変量解析法について、その基本的な考え方と主要な計量モデルを解説する科目。(90分×15回相当)
【 F 】 質的な調査と分析の方法に関する科目
さまざまな質的データの収集や分析方法について解説する科目。(90分×15回相当)
【 G 】 社会調査を実際に経験し学習する科目
調査の企画から報告書の作成までにまたがる社会調査の全過程について、体験を通じて学習する科目(90分×30回相当)
社会調査士の資格に関する授業について注意しておきたいこと
大学で取れる資格ならどれについても言えるとは思うのですが、普通の授業よりも単位認定が厳しいことが多いです。
例えば、私の所属する大学・学部・学科では【 G 】 社会調査を実際に経験し学習する科目については特に厳しく、出席や遅刻ができないような科目でした。
したがって、「社会調査士」を取得しようと考えている方はできるだけ就活などで時間が取られない1・2年生の間に多くの科目を履修しておきましょう。
また、「統計」についての科目は最低1つは取らなければらないので算数や数学が苦手な方については覚悟をしておきましょう。
とはいっても、【 E 】 多変量解析の方法に関する科目以外はそれほど難しいと感じるほどの数学的な要素はないので安心してください。
「社会調査士」って役に立つ!?
正直「社会調査士」という資格自体は社会的にどの程度役に立つのかについてはわかりません。
しかしながら、社会学という学問を勉強していく上で、卒業論文を書いていく上で「社会調査士」取得に関する科目はとても役立つと思います。
実際、私自身も2年次に【 E 】 多変量解析の方法に関する科目をすでに履修していたので質的調査に関する科目は履修しなくても「社会調査士」の資格は申請することができたのですが、
卒論で質的調査をする予定があり何か役に立つことがあるのではないかと考え、質的調査法に関する【 F 】 質的な調査と分析の方法に関する科目を履修したところ、その科目の中で勉強したコーディングの手法は卒論を書く上でとても役に立ちました。
「社会調査士」って役に立つ!? 就活編
就活ではほぼ役に立ちません。そもそも、「社会調査士」の資格が認定されるのは卒業してからです。
ほぼと言ったからには例外もあります。その例外は研究者(大学教員)を目指している場合です。
学位と研究業績に加えて「社会調査士」の上位資格である「専門社会調査士」を持っていることを条件とする求人があるのでこの場合は就活で役に立つと言えるでしょう。
というのも、「専門社会調査士」は「社会調査士」を持っていることが前提のカリキュラムだからです。
社会調査士申請に必要な費用
社会調査士申請に必要な費用はなんと16,200円です。
大学を卒業する前にも社会調査士(キャンディデイト)という資格が取れるのですがこれも 16,200円です。
しかも、キャンディデイトから社会調査士に移行するのにも更に費用が掛かります。誰が社会調査士(キャンディデイト)なんて申請するのでしょうか。
申請させたいなら、申請費用について見直すべきでしょう。
社会調査士申請の際の注意点
社会調査協会のHPの「五十音別 資格制度参加校」のページから自分の修得した単位の認定番号を自分で調べて申請書に書かなければなりません。
ここで注意したいのは、同じ大学の同じ先生の講義を受けていたとしても受講した年度によって認定番号は異なります。
申請書を作成する際は大学の成績表もしくは単位修得証明書などで修得した単位がどの年度のものかを確認してください。
【追記】社会調査士の認定証が届きました
無事、社会調査士に認定されたようです。これを持っているからといって特に意味はないです。
調査に関する知識を統計検定などを勉強して定期的に知識のアウトプットをしていきたいと思います(でないと忘れてしまいそれこそ意味がないw)。

【追記】「社会調査士」取得にかかった費用
資格取得にあたって利用したもの | 費用 |
【A】社会調査の基本的事項に関する科目 | ¥0 (科目履修生の場合¥20,000) |
【B】調査設計と実施方法に関する科目 | ¥0 (科目履修生の場合¥20,000) |
【C】基本的な資料とデータの分析に関する科目 | ¥0 (科目履修生の場合¥20,000) |
【D】社会調査に必要な統計学に関する科目 | ¥0 (科目履修生の場合¥20,000) |
【E】多変量解析の方法に関する科目 | ¥0 (科目履修生の場合¥20,000) |
【F】質的な調査と分析の方法に関する科目 | ¥0 (科目履修生の場合¥20,000) |
【G】社会調査を実際に経験し学習する科目 | ¥0 (科目履修生の場合¥40,000) |
【A】、【B】のテキスト | ¥2,750 |
【C】のテキスト | ¥2,396 |
【D】のテキスト | ¥2,178 |
【E】のテキスト | ¥2,530 |
社会調査にかかった費用 | ¥3,738 |
単位修得証明書 | ¥200 |
社会調査士申請費用 | ¥16,200 |
トータル | ¥29,992 (科目履修生の場合¥189,992) |
私の場合、授業料一定で年48単位修得までは自由に履修できたので【E】と【F】の科目を両方履修しましたが、
「社会調査士」を取得する上ではどちらかで良いので最低限の費用で取得したい場合は数千円ほど安くなると思います。
数千円ほど安くなったところで社会調査士に対応したカリキュラムがある大学に正規学生として在籍していても上記の費用がかかるので、
社会調査士をとるために科目履修生として大学に通うというのはあまり現実的ではなさそうです。
これだけ費用がかかるなら、図書館司書資格でも取った方が良いと思います。
おわりに
「社会調査士」の資格申請に関する科目は社会学を学ぶ上でとても役に立つのでぜひ履修してみてください。
しかしながら、「社会調査士」という資格は持っていても社会的な評価が得られるかは分からないので申請したい人だけ申請すれば良いと思います。
では今回はこの辺で。ちゃーおo(^▽^)ノシ